製材所の技術と設計の力が融合。群馬の森を体現した、地産地消のサステナブルな木造拠点が完成

この度、弊社が設計監理を担当いたしました小井土製材株式会社様の新事務所兼ショールームおよび新倉庫が竣工いたしました。 群馬県の豊かな森林資源を背景に、製材所が長年培ってきた技術と素材への知見を、設計の力で空間へと昇華させたプロジェクトです。地域産材を徹底的に活用することで、ウッドマイレージ(木材の輸送エネルギー)を最小限に抑え、環境負荷低減に寄与するサステナブルな建築を実現しました。

■ 新事務所:一般流通材によるNLT・DLT工法の実践
新事務所の構造計画として、市場で一般的に流通しているJAS規格の杉材を用いた「NLT(釘接合積層板)」および「DLT(ダボ接合積層板)」を採用しました。 特殊な大断面集成材に頼ることなく、身近な小断面の製材を積層させる手法により、開放的な大スパンと必要な剛性を確保しています。この架構により、現し(あらわし)となった天井面は、構造的な合理性がそのまま美しいストライプ状の意匠として表れ、空間全体に力強い規律と心地よいリズムを生み出しています。

■ 空間デザイン:「木材の多様性」を五感で伝える
空間構成においては、「木材の多様性」をメインテーマに据えました。 構造材としての杉・桧に加え、内装仕上げには唐松、欅(ケヤキ)、樅(モミ)、塩地(シオジ)など、多様な県産材を選定しています。 設計においては、赤身・白太のコントラストや樹種ごとの質感を吟味し、それぞれの木肌や色味が最も映えるよう、壁材や造作家具へ適材適所に配置しました。特に、杉の圧密材を用いたカウンターや広葉樹のテーブルなど、来訪者が直接手に触れるディテールにこだわることで、木の豊かさを五感で感じ取れる空間が完成しました。

■ 新倉庫:トラス構造による大空間の実現
同時に施工した新倉庫においても、新社屋と同様に一般流通材の活用を徹底しました。 構造形式には、木材と鋼板(メタルプレートコネクター)を接合した高強度のコネックトラス(平行弦トラス)を採用。さらに柱と梁の隅角部に斜材である方杖(ほうづえ)を配置することで、一般的な製材を用いながらも、倉庫として求められる無柱の大空間と高い剛性を経済合理性を踏まえて実現しています。

■ 地域完結型のモデルケースとして
原木の調達から製材・加工、そして建設に至るまでを地域内で完結させた本プロジェクト。 地方都市において、地場の素材と技術を設計デザインによって統合した本作は、サステナブルな木造建築(非住宅木造)の実践的なモデルケースとして、新たな可能性を提示しています。

事例紹介ページ:小井土製材 新事務所・新倉庫

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