「ちょうどいい」技術を、最先端の価値に。DLT工場で見た、木造建築の明るい未来。

木の香りと稼働する機械の音が響く、長谷川萬治商店様の館林工場に訪問し、私たちが進める木造オフィス建設プロジェクトにおける心臓部ともいえるDLTパネルの製作状況確認いたしました。

DLT(Dowel Laminated Timber)は、木材と木のダボだけで作られる、非常にシンプルで誠実な木質パネルです。その生産設備は驚くほどコンパクトで、大規模な投資をせずとも高品質な製品を生み出せる、「地に足の着いた」技術であることに、アアデルは大きな可能性を感じています。

日本でDLTは、どちらかというと空間を彩る「仕上げ」として使われることがほとんどでした。
しかし、アアデルは考えます。
「このシンプルで力強いDLTを、建物を支える主役にはできないだろうか?」

この問いへの答えが、今回のプロジェクトにおける「DLTの構造耐力壁」としての採用です。柱と梁で構成される日本の伝統的な軸組工法の中に、構造体としてDLTを組み込む。それは、力学的な合理性と、木肌をそのまま見せる「あらわし」の美しさを両立させる、アアデルの新たな挑戦です。

建築とは、常に最先端でなければならない訳ではありません。その土地の技術や環境に合った「ちょうどいい」技術を見出し、新しい発想で磨き上げることで、これまでにない価値が生まれる。

アアデルは、そう信じています。このDLT耐力壁が、現場で組み上げられる日を、心から楽しみにしています。

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